「海からの贈りもの」
アン・モロウ・リンドバーグ


海で過ごす、作者の手許にある数個の貝殻たち・・・。彼女はこの貝殻を見つめながらいろいろなことを考え、そして大切なことに気づかされます。私もこの本から、たくさんのとても大切なことを教わりました。

私たちのまわりに溢れる、あまりにものたくさんの情報たち・・・その情報の氾濫で、時々自分自身を見失いそうになります。そんな時、私は迷わずこの本を開きます。心が疲れた時や迷った時、「簡素に生きなさい」と、この本が語ってくれます。

あと、たとえ評価されなくても、私たち女性が他者に「与える」という素晴らしい性をもっていることに改めて気づかせてくれました。社会の問題や世界平和等の大きな問題が、じつは私たちのこの小さな生活を出発点にしている・・・という、しっかりした軸を持ったこの本は、スケールの大きな「生活本」といえるかもしれません。


簡素に生きる・・・そのために私がまずはじめたことは、少ないモノで暮らす、という選択でした。これは一見簡単そうに見えて、じつはとても難しいこと。自分にとって何が必要で何が不要かという選択は、実際に経験してみて、自分自身のことをよく理解していないと出来ないことを知りました。

そしてそれは、自分がこれからどのように生きていきたいか、という、人生観のようなものへと繋がっていくような気がしています。物だけに限らず何もかも抱え込む生き方は、いつか息が切れてしまいそう。まずは物を減らし、まわりに溢れる情報を整理して、シンプルに生きたい・・・と、切にそう思う私なのです。


*「海からの贈り物」の本は、訳者違いで2冊出されています。
吉田健一さんが訳されたものは新潮文庫から、
落合恵子さん訳のものは立風書房から出されています。