命を感じた時・・・


今はもう、亡くなってしまった愛する人をふと思い出してしまう、そういう瞬間があります。何かの拍子にふと思い出したその時、胸のあたりにキュンと切ないものがこみ上げてきます。
そんな思いを抱いたまま、いつものように植物を見にベランダに出た私は、そこで育てているハーブたちのいくつかの小さな命に出会いました。新しい小さな花を数個つけていたのは、やわらかくていかにも繊細なふうのカモミールです。指でつまむのをためらってしまうほどの咲いたばかりのホヤホヤの小さな花たち・・・。
すべての命に限りがあると分かり始めたその頃から、ますます植物たちが愛おしくなったような気がしています。


ローズゼラニウムの苗に、小さなピンクの花が咲いているのを見つけました。たった2個の花です。その花はとても小さくて、その花をずうっと見つめているとその小さな世界に、とても深い奥行きのようなものを感じます。
見えている部分は小さいのだけど、目には見えない、とてつもない大きなもの・・・もしかしたらこれが命の感覚?咲いている花の横には、命の予備軍のようなつぼみが何個か見えます。近いうちにこのつぼみにも、ある日きれいなピンク色の花をつけるのかと思うとワクワクしてしまいます。
葉っぱの部分を指で軽くこすってみると私の好きなあの香りが・・・。つやつやの葉で、可憐な花で、あの香りで、植物は「命」という名のオーラを発し続けているのでしょうか。


すっかり弱ってしまって、一時期はあきらめの心境にまでなってしまったナスタチウム。そのナスタが新しい花をつけていました。まだ全部は咲ききっていない、ホヤホヤのオレンジ色の花です。なんとその横には若い果実までつけています。
ナスタの花の命はとても短いのです。花が咲いて、その花が元気がなくなったなあと思うと次の日にはもう枯れている・・・。でもその横には青々とした実をつけ、その実がどんどんと重くなっていくようにこうべを垂れ、ある日ポトンと土の上に落ちるのです。
その実から取れる種からまた新しいナスタチウムが生まれることを思うと、命の不思議さ、命の素晴らしさをしみじみ思ってしまう私でした。
そんなけっして目には見えない命のしくみ・・・終わりと誕生、そしてその繰り返しを私たちに見せてくれている植物って、やはりすごいと思うのです。



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