・主婦の復権
・人生を複雑にしない100の方法
・節約生活のススメ
・買い物しすぎる女たち
・小さなことにくよくよするな!
・田園のユーウツ
・大人もゾッとする初版『グリム童話』


生き方・心理



●「主婦の復権」・林道義 (講談社)

一言で言うとフェミニズムを批判した本なのですが、私はこの本を読み終えた時にちょっと落ち込んでしまいました。世間では、まわりでは主婦に対してこんな風にとらえていたの…今さらのように風当たりの強さを知ってしまったからです。

フェミニズムの問題はとても奥が深くてどのように表現していいのか迷ってしまうのですが、もっと本能の部分も大切にしてほしい、そう思っています。人それぞれの生き方を深く考え、論じることも時には大切なことなのでしょうが、男と女が惹かれあいいつも一緒にいたい・・そう思ったから結婚する。愛する人とひとつになりたい、そう思ったから結果として子供が出来る。子供が可愛いから仕事を辞めてでも子供を育てる。家族を愛しているから苦手だった家事を頑張ってみる・・・これでいいと思うんだけどなあ〜。もちろん、今述べたのはあくまでもひとつの例で、たとえ子供がいなくても、ご主人のほうが家事が得意でもいっこうに構わないのです(^^)

あとここで書かれていることにフェミニストたちが主婦を攻撃するのは主婦に対してジェラシーを感じているから、というのがありました。これはちょっと言い過ぎのような気がしています。でも主婦の存在のもとになっているものは”愛情”だという言葉には共鳴できるものがありました。


●「人生を複雑にしない100の方法」
イレイン・セントジェームズ
(The Japan Times)

『海からの贈り物』を読んだことがきっかけになってシンプルな生活を目指している私は、そういった主旨の本を何冊か読んだのですが、この本はそのためにはどうすればいいのか、とても具体的に書かれてあるのには驚きました。でも、ここに書いてあるとおりに実際に実行すると、なんだかとても味気ない人生を送ってしまう、そういう気がしたのは私だけかしら…?

日頃からシンプルライフを人にすすめている私がこんなことを言うのちょっとあれなのですが、あまりにもカチカチに考えすぎると、大切なものまで失ってしまいそうな気がしたのです。でも文中の、「むずかしいと思ったらしないほうがいい」というのは、とても勇気ある言葉ですよね。じつは私も同じようなことを思っていたのですが、日本でこういったことを主張したら、一部の人たちから非難されそうな気がしました。


●「節約生活のススメ」・山崎えり子(飛鳥新社)

35年の住宅ローンを7年で返済した著者の節約生活のノウハウなどがとても具体的に書かれてあって、読み物としてはなかなか面白い本でした。ただここに書いてある生活を真似できるかと尋ねられれば、とても私にはできない、そう思ってしまったのもたしか。
「自分ができることはすべて自分で行う。」
彼女のその生活ぶりは、「時間ってお金なんだ…」そうしみじみ思わせるパワーも感じられたのです。
パワーといえば、著者山崎えり子さんのとても前向きなあのパワーにはほんと感心してしまいました。普通だったら落ち込んでしまう状況になっても、彼女は持ち前の明るさと聡明さで見事に乗りきってしまいます。

題名は「節約生活のススメ」となっていますが、20代の頃をドイツで生活した著者が身体で覚えた「シンプル生活」の合理性や気持ちよさも感じられて、シンプルライフを目指している私にはとても興味深い本でもあったのです。
全部はとても無理でしょうが、彼女の暮らしぶりのエッセンスだけでも真似をして、毎日の生活を、自分の手であれこれと工夫とアイデアを駆使しながら楽しいものに変えていきたい… 読み終えたあとでそう思っていた私です。どうやら山崎えり子さんの前向きなパワーが私にも伝染したようです。


●「買い物しすぎる女たち」・キャロリン・ウェッソン(講談社α文庫)

今、とても多いといわれている心の病「買い物依存症」について詳しく書かれた本です。
症状がたまたま買い物とよばれる行動に出てしまったというだけで、アルコール依存症やギャンブルに依存してしまう人、そして摂食障害などの病気もすべて根っこの部分は同じ…というのがとても興味深く、そして自分だっていつこの病にかかってもおかしくない、そう思わせてしまう怖さも感じられました。
人は私も含めてとても弱いもの。弱いからこそ不完全だからこそ、こういう病(依存症)にかかってしまうのでしょうね。この本では治し方についても書かれていますが、過去に心におった傷だとか、自分の弱さや不完全さなど、まずそれらを自覚することから始めなければならないようです。辛くてとても勇気のいる一歩ですよね。
正直言ってあまり面白い本ではありませんが、自分自身のこと、そして自分と他の人との関係についてじっくりと考えてみる・・・ それを手助けしてくれる、そういう本として読んでみるのもいいかもしれません。


●「小さなことにくよくよするな!」・リチャード・カールソン(サンマーク出版)

日本でもベストセラーになったこの本を、題名に惹かれて思わず買ってしまった私です。
どちらかといえば当たり前のことが書かれてあるので読んでいるうちに退屈な気分になってしまったのも確かなのですが、もしかしたらこういう一見当たり前のことが、私たちはいつのまにか実行できなくなっているのかも…。
「絶対にこれがいい」
というふうな押しつけがましさが文章に全然なくて、とても分かりやすい文章はやさしい感じでこちらに伝わってきます。

正しさより思いやりを選ぶ
彼のたくさんの主張の中で私が一番心に響いたのがこの言葉でした。人のまちがいを指摘して正そうとすることはなんだか親切に思えてしまうのだけど、それは相手の非をあげつらうことにもつながるのですよね。自分がされるととてもイヤな気持ちになることは相手にはしない… これがもしかしたら一番の思いやりの訓練になるのかもしれません。
今現在、毎日慌ただしく仕事をされている方のほうが、この本から得るものが多いような気がしました。


●「田園のユーウツ」・今野直子(サンケイリビング新聞社)

書店のわりとよく目立つところに平積みにしてあった本がこの「田園のユーウツ」でした。
「もしかして…」という私の勘は見事にあたり、やはり東急田園都市線沿線が舞台になっている本で、もうすぐこの田園都市線沿線にお引っ越しをひかえている私は、ちょっぴり不安な気持ち(ほんとかなぁ〜)をかかえてこの薄っぺらい本を買って帰ったのです。

「嗚呼! なんてリッチでおしゃれな田園都市。そこに住むミセスの憂鬱とは!?」
この言葉は、この本の帯に書かれてあった文章。これを読んだだけでも、そこに住む奥さんたちのことを皮肉っぽく辛辣に書かれてあるのだろうなあ、そんな思いで読み始めた本ですが、たしかに日常生活のちょっとしたことまで細かく観察して書かれてあるものの、思ったよりかは好意的だったのはちょっと意外・・・
著者自身がこの田園都市線沿線に住んでいるのだから、あたりまえ、なのかな。

たまたま舞台が田園都市線沿線、というだけで、じつはここの主婦たちがかかえている憂鬱は、どこの土地に行っても共通の憂鬱なのかもしれない、そんなことを思ってしまった私です。
軽い感じでさらさらと読める、そんな楽しい本でした。


●大人もゾッとする.初版『グリム童話』・由良弥生(知的生き方文庫)

幼いころ好きでよく読んでいたグリム童話なのですが、じつは後から、かなり内容が変えられて出されていたことを知ったのは最近のこと。そしてその原点ともいえる最初のお話を読んだのがこの本が始めてだったのです。
大人になってから知った、ちょっと毒のある物語は面白くさえ感じましたが、子供のころに読むとかなり刺激的な内容だったでしょうね。初版のグリム童話では、性的なもの、怖いもの、おぞましいもの・・・ などがたくさん登場して、それは怖いもの見たさの私たちの心を刺激して、けっしてお行儀がいいとは言えない、そんなお話にどんどん引きこまれていきます。
たしかに怖いのだけど、ちょっとユーモラスにさえ感じていた魔女が、この初版では容赦ないほどの残忍さと、とても醜い存在で表されていて、もしかしたらこれは昔の人たちの子供たちへの躾に役立っていたのかしら、なんて、そんなことも思いました。
「悪いことばかりしていると、魔女が現れるぞ〜」
これはきっと効果絶大だったはず。

このような童話を読んでいると、その時代の背景にあった文化とか風習、そして道徳観などがお話の中にひそかに息づいていることが、なんだか興味深かった私です。