荒木経惟


●東京日和(筑摩書房)

アラーキーこと荒木経惟さんとその妻陽子さんの共著です。
あまりブックカバーにはこだわらない私ですが、この本の装丁はとても好き。
向日葵の部分を何度も意味もなくこすってみたりして、そんな自分にちょっと苦笑い…。
何年も夫婦をやっていると同じものを食べ、同じ風景を見て、同じ部屋から同じ空を見上げている、そんな当たり前すぎる日常の積み重ねがあります。
そんなありふれた日々も、失ってしまうと生活のひとこまひとこまが、キラキラと心によみがえってくるのかな。
陽子さんが亡くなってから、アラーキーは空の写真ばかりを一時期撮り続けていたと言います。同じ時間に同じ空を、ちょっとだけお互いに違うことを考えながら眺めていた二人・・・
そんな二人のことを思ってしまいました。

かつて同じ場所を歩いてきた二人がある日一人になった時、今まで見てきた空までもがきっと違って見えるのでしょうね。
今この時の夫婦の時間をもっと大切にしたい、そうしんみりと思いました。